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社会起業家の活動をサポートし、 “協働”を循環するプラットフォームに。一般社団法人ソシオファンド北九州共同代表理事 菅恒弘さん

更新日:2019年1月26日



ソーシャルビジネスに関わりたい


「本業とは関係ない個人の活動なんです」と、笑顔で語る菅恒弘さん。北九州市役所に勤務しながら昨年、『一般社団法人ソシオファンド北九州』を立ち上げ、社会起業家の支援事業をスタートした人物だ。 団体設立に至る発端は、5年前に出合った1冊の本だった。東京出張の際、偶然書店で見つけた「社会起業家という仕事 チェンジメーカー2」。環境や教育など、さまざまな社会課題に取り組む実業家たちが紹介されていた。「行政以外で社会の課題を解決する人たちがいることに、衝撃を受けました。自分もいつか活動に携わりたいと思いました」。 翌年、チャンスが訪れる。職員派遣研修のビジネススクールで、ソーシャルビジネス(社会起業家の仕事)を学べることを知ったのだ。応募した結果、菅さんは年一人の枠に選ばれ、大学で研究に取りくむことになった。


SVP東京の活動に参加


修士論文は「ソーシャルビジネスの創出に必要な中間支援組織の機能と支援事業」をテーマにした。論文執筆に向けて調査するなかで、『NPO法人SVP東京』の活動を知り、強く惹かれた。SVP東京は、米国ソーシャル・ベンチャーズ・パートナーズ(SVP)にアジアで初加盟した組織。SVPは世界に約40団体あり、日本における社会起業家支援のパイオニア的な存在だ。 ビジネススクール卒業と同時に、東京転勤になった菅さん。興味があったSVP東京の活動に参加し、ソーシャルビジネスの支援方法を学びながら、非営利団体の活動支援を行った。その活動を通して、北九州出身の仲間と出会い、「この活動は北九州にこそ必要だ。北九州でもやろう!」と意気投合。2人で団体設立の準備を始めることとなった。


北九州ならではの活動を目指す


ソシオファンド北九州の支援方法は「口も手もお金も出す」協働スタイル。メンバーが年間10万円出資し、集めた資金を支援団体に渡して共に活動を支えていく。金銭的な見返りではなく、社会的な成果を利益と捉えて享受する。 今はSVPをモデルにしているが、会員数が多い東京と同じやり方では無理があるため、北九州ならではの仕組みを構築していく考えだ。現在のメンバーは18名。経営者、税理士、大学教員、会社員などさまざまな人材が、専門知識や持ち味を生かして活動に関わる。「異業種が集まり、学び合えることも大きな魅力。北九州がさらに良くなる仕掛けや、社会の課題を解決するきっかけになりたいですね」。支援団体も決定し、今年は蒔いた種を発芽させる年。豊かな実りを目指して、知恵と情熱を注いでいく。


昨年6月に開催されたソシオファンド北九州の発起会。参加者は100人を超え、注目の高さを伺わせた。

菅さんへ3つの質問

Q. この仕事に向いている人は?

A. いろいろなことに興味を持ち、好奇心が強い人。


Q. あなたのバイブルは?

A.「社会起業家という仕事 チェンジメーカー2」(日経BP社)。


Q. あなたのメンターは? A. ビジネススクールの同級生、SVPとソシオファンドの活動を通じて知り合った仲間たち。


2015年1月20日 Avanti 2015年2月号より転載 (http://www.e-avanti.com/career/gyokai/21177)

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