小倉北区の魚町商店街の一角に事務所をかまえる「株式会社北九州家守舎」。行政や地域住民等と連携し、建物管理や入居者支援等によって地域づくりを行っている会社である。2012年4月に、4人の代表者によって設立された。 今回は、この会社のスタッフである清原裕也さんにお話を伺うことができた。清原さんは元々キャナルシティやリバーウォークのイベント運営に関連する仕事をしており、そこで街の人たちと関わっていく楽しさを感じたという。その時に家守舎代表の遠矢弘毅さんと出会い、自分もこの会社に携わりたいと思い転職したという。
今、全国では実際の空き家物件を対象にチームを組んでまちのことを考える「リノベーションスクール」が開催されている。これは北九州で始まった活動だ。 各地から集まったリノベーションスクールの受講生は8人程度のグループを作り、実際の物件をリノベーションして活用する企画を作る。全国から招いた講師からレクチャーを受けたり、現地を視察したりしながら、実現可能な企画を作っていく。最終日には建物のオーナーを前にプレゼンし、スクール後はプランをもとに事業化を進めるものも出てくる。実際にリノベーションスクールに参加した人たちが会社を立ち上げ、リノベーションした建物でゲストハウスやカフェなどを運営しているところもある。 これまで20か所以上の案件に北九州家守舎が関わっている。現在、北九州での開催の予定はないが、各地のリノベーションスクールの活動に参加してみたいと意思のある人は誰でも参加してほしいと清原さんは言う。
「北九州家守舎」の考える“まちづくり”とは、「日常的なにぎわいをつくること」と清原さんは言う。イベントで盛り上がるだけでなく日常的に人が集まって利用してくれるような場を創っていきたいという。しかし、そのような場を維持していくための人材が必要であり、人材の発見や育成には苦労しているという。
現在、小倉北区の井筒屋横にベンチとキッチンカーのある広場ができている。家守舎はここの管理運営を行っている。いずれはそこに建物を建設してイベント等を開催することはできないかと考えているそうだ。清原さんは、あの広場を市民に広く利用してもらうアイデアを考え続けている。
■問い合わせ先 北九州家守舎
〒802-0006
北九州市小倉北区魚町三丁目3番20号中屋ビル4F
TEL. 050-3435-0190
記事 北九州市立大学 矢ヶ部有登 居場智信