31年前、ホームレスの人に対して炊き出しなどによるボランティア活動から始まった「NPO法人抱樸」。2000年に法人となり、今では北九州市を始め、下関市や福岡市、中間市で活動している。
12月~2月は毎週金曜日、3月~11月は第2・4金曜日に炊き出しを行っており、市内各地でのパトロール活動を実施している。
ホームレス支援から始まった抱樸は今では住居の提供や就労支援、金銭管理、障がい作業所、子どものいる家族への支援事業など、様々な活動を幅広く展開している。
ホームレスの根本的な解決を目指すにつれて事業が増えていき、最初から最後まで関わりたいという思いが、このような多岐にわたる事業に繋がった。経済的困窮であるハウスレスや社会的に孤立しているホームレスの人に関わり、困った時に頼れたり、実の家族に代わるような関係性を作り上げている。
お話を伺った山田さんは、学生の時からホームレス支援のボランティア活動に参加していたそうだ。ホームレスから自立する人を見てきて、やりがいを感じていると語る。しかし、全員がそう上手くいくことはなかった。意思疎通の難しさや距離感の取り方など、大変な思いも同時にしてきたという。
年間で約100人が相談に来ているのが現状である。一日でも早く解散することを目標としてきたが、やればやるほど新たな課題が見えてくる。そういったホームレスの人がいなくなり、社会的弱者に対しての理解を得るために自分たちから発信していくことが必要だと話す。関わるプレイヤーを増やし、社会全体で社会的弱者を支える仕組みを作りたいと語る。
特定非営利活動法人 抱樸
所在地:福岡県北九州市八幡東区荒生田2-1-32
TEL:093-653-0779
記事:北九州市立大学 瀬戸口陽子・木元カンナ
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