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若松に訪れる人を迎える玄関口 人と街が繋がる旅の茶店「本町Terminal」

更新日:2019年1月26日



今回の取材では、若松にあるコミュニティスペース「本町Terminal」を運営する、北九州市立大学地域創生学群3年の枝光比菜乃さんと、町おこし会社「一般社団法人ワカマツグラシパートナーズ」の一員として、若松で様々な事業に取り組んでいる藤田毅さんにお話を伺いました。


「本町Terminal」とは、人や街と繋がる旅の茶店として、くつろぐことのできるスペースや、ドリンクと駄菓子の販売、自転車のメンテナンス道具の貸し出しも行なっているコミュニティスペースです。「本町Terminal」は、枝光さんがクラウドファンディングで集めた資金で空き家をリノベーションし、昨年の10月にオープンしました。なぜ「本町Terminal」を作ったのか、若松ってどんなまちなのか、まずは枝光比菜乃さんにお聞きしました。


- 「本町Terminal」を開こうと思ったきっかけを教えてください。

枝光さん:以前から若松でバイトをしたり、まちづくりのイベントなどのお手伝いをしていました。ある時、若松の空いている物件をシェアハウスにして、一階の部分でお店を始めようというお話をいただき、自分の長期インターン先として若松を選んだことが「本町Terminal」に関わったきっかけです。「本町Terminal」が自転車関係のサービスを充実させている理由は、若松が自転車乗りの方が多いからなんです。しかし、若松は通りすぎられてしまうことが多いため、この街にも人を集めたいという思いのもと「本町Terminal」をオープンしました。


自分が初めて若松に来た時、さびれているし歩いても何もないのではないか、という思いがありましたが、何回も足を運ぶうちに印象が変わっていきました。温かい人もたくさんいるし、いいお店もたくさんあります。なので、そんな若松の魅力を積極的に発信していきたいなと思っています。



ドリンクだけでなく自転車乗りのためのメニューも盛りだくさん

店内には自転車雑誌なども充実


- どんな活動をしているのですか?

枝光さん  : 以前は小さいイベントのお手伝いをさせてもらったり、周りの方からのアイディアについて行くしかできませんでしたが、今は自分がこんなことやってみたい!という思いからアイディアが生まれるようになってきました。昨年は缶詰屋台を始めたりと、ふと思いついたアイデアをテンポよく、とにかくやってみようと実践してみるということが多いです。



お店では様々なイベントも開催


- 活動していて感じる課題を教えてください。

枝光さん :  課題は盛りだくさんです。特に今は、地域の方とのつながりづくりをより深めていくことが課題です。今までは、自分たちがイベントを発案して、実行してという動きでしたが、それでは集まる人は限られています。地域の方を巻き込むために、地元の企業の方や地域の飲食店の方に協力していただいて、若松の中のつながりを作りながらイベントを行うことを意識しています。外から来てくれる方と地域とのつながりを作っていく、そんな「本町Terminal」でありたいです。自分自身も自転車に乗って、自転車に乗っている方と積極的にお話をすることで「本町Terminal」の紹介をしたりしています。最近では、なにやってるのかな?と覗きに来てくれる地元の方が増えたので嬉しいです。


- 活動する上で大切にしていることは何ですか?

枝光さん :  学生だからこそ、与えてもらえるチャンスに対してとにかくやってみるという心構えを大切にしています。学生である今しかできないことをいろいろやってみることは、とてもやりがいがあります。何百円稼ぐのもすごく大変だということも若松にきて身に沁みたし、社会勉強としても学ぶことが多いです。また、街の人とのつながりを絶やさないようにこまめに会いに行ったり、地域の方とご飯を一緒に食べたりする中で、積極的にお話をすることを心がけています。



「本町Terminal」への思いを語る枝光さん(左)


次に、「本町Terminal」の運営にも関わっている藤田毅さんにもお話を伺いました。


- 学生が地域で活動することについて、どう思われますか?

藤田さん : 学生じゃないとできないことっていうのは、一般的に思われるのが人集めであったり、繋がりだと考える方も多いと思うんですが、クラウドファウンディングができるというのはとてもいいなと思いました。今回、自分自身としても学生と絡んで事業を行うことが初めてでしたが、この若松で、若い人が挑戦をする過程でクラウドファウンディングにチャレンジするということは面白いと感じました。学生だけでは限界値がどこかに設定されているし、「こういう取り組みをしてよかったね」ということをしたいわけではないので、プラスαの条件を与えることで成果をきちんと出していくことが必要だと思っています。そして若松では、その実証をできていることが面白いと思っています。



「本町Terminal」そして若松について語る藤田さん(右)


- 若松で活動していて感じることはありますか?

藤田さん :  僕にとって若松の状況は活動する上でとても面白いです。多大な資金をかけることなく、少ない資金と資源で様々なことにチャレンジするのにとても適した場所だと思います。また、若い人が来て賑やかになってほしいという目標は常にあります。それから本当は街と地域とコミュニケーションがとれるような企業があるべきなのに、今はあまりないように感じます。ビジネスをすることは街に何も与えていないわけではない、街を使ってビジネスをすることは、まちづくりと別のものではないと考えています。そして、街を観察している中でやってみよう!と思いつくアイディアが多くあります。


- 最後に、枝光さんに今後の展望をお聞きしたいです。

枝光さん  : まずは、地元の人たちとのつながりを地道に作っていきたいです。そして、外から来てくれる人への認知度を高め、若松へと繋げる役割になっていきたいと思っています。「本町Terminal」に人が集まるようになって、「ここに来れば色々情報が集められる」という場所にしていきたいなと考えています。


〜あとがき〜

若松で実際に暮らし、地域と深く関わることで活動のアイディアを生みだすお二人のお話を聞けて、学ぶことが多くありました。自分で街を歩いて、街を好きになることでもっともっと暮らしが楽しくなると思います。みなさんもぜひ、若松に出かけてみてください。新しい発見があるかもしれません。



枝光さん(左)とインタビュアーのKokulikeの甲斐さん


「本町Terminal」の詳しい情報はこちら

○ホームページ http://honmachi-terminal.com/

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