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ホタルと水辺の生き物の生息環境保全を考える学習施設~北九州市ほたる館~

更新日:2020年3月13日

 北九州市ほたる館で、「北九州ほたるの会」会長である中村光男さんに話を伺った。1980年(昭和55年)に小倉北区小熊野川に20匹のゲンジボタルが飛んだことをきっかけに本格的にほたるの保護活動が開始されたという。中村さん自身がホタルの保護に関わり始めたのは50年前になり、中学校に勤めている時に見たホタルに魅了され、研究を始め、今まで続けてきたのだそうだ。ほたるの保護は市内に広まっていき、こうした動きに後押しされて、2002年(平成14年)に小熊野川のそばにあった保育所をリフォームして設立されたのが北九州市ほたる館である。

 ほたる館ではホタルの生態についてだけでなく飼育方法を学んだり、実際に卵・幼虫・さなぎ・成虫を一度に観察したりすることが出来る。また1年中ヘイケボタルの成虫が光るのを観察することが出来る全国でも珍しい施設である。またホタルの折り紙教室や昆虫教室・生き物講座などのイベントも行われている。


 北九州市では毎年6月初旬に市民と一緒に市内約70の河川でホタルを調査している。この調査の結果をもとに、「北九州ほたるマップ」がつくられている。マップを見るとホタルが北九州市内全域で観察することが出来る身近な生き物であるということが分かる。

たくさんのホタルを見ることが出来るのも地域の人々やホタルを保護していこうと活動する熱い想いを持つ人々のおかげである。ホタルの保護によって、地域の人々の交流も深まり、街の活性化にもつながっている側面もあるという。その中心的役割を担っているのが、この北九州市ほたる館である。


 ホタルの説明をする中村さんは熱意にあふれており、とても楽しそうで、聞いていた私たちもホタルの奥深さに興味を持つことが出来た。少しでもホタルに興味をもってくれる人が増えることがやりがいであり、これから先もこのホタルの保護活動を継承していく若者が増えることが目標だと語る。

 私たちもヘイケボタルの成虫が光るところを観察させてもらった。小さい頃から知っているホタルだが、久しくホタルを実際に観察する機会がなかった。ヘイケボタルが光る様子を見て、小さい頃に感じたワクワクとホタルの魅力を感じることが出来た。

 ほたる館は入場無料で気軽に訪れることが出来る。また自分自身の手でホタルの幼虫を育てる活動である「マイボタル制度」も行っており、毎年5月に説明会を行っているそうだ。皆さんも一度ほたる館に足を運びホタルの魅力を感じてみてはいかかだろうか。


〇アクセス

■北九州市ほたる館

〒803-0864

福岡県北九州市小倉北区熊谷2丁目5番1号 TEL&FAX:093-561-0800

E-mail:hotaru@hotarukan.jp



記事:北九州市立大学 福谷優花・岩井遥

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