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~情報提供やコミュニケーションを促し、難聴者を支える~ 特定非営利活動法人 北九州市難聴者・中途失聴者協会

更新日:2020年2月1日

自己申告による難聴者率が11.3%(Japan Trak 2015 調査報告より参照)と、日本では10人に1人が難聴者であると言われる。その中でも北九州市では高齢化とともに難聴者が増えてきている。このような状況の中、難聴者及び中途失聴者(以下、難聴者とする)の生活の情報とコミュニケーションを支援している団体がある。それが、特定非営利活動法人 北九州市難聴者・中途失聴者協会だ。


主な活動として、難聴者に向けた生活講座・手話講座、交流の場の提供、会報の発行、ピアカウンセリング、難聴者サポーターの養成事業などを行っている。生活講座では難聴者の認知症の予防や、電車の突発的な事故や災害が起きたとき、どのように行動すればよいのか、コミュニケーションの仕方など日常生活で困ることなど、多岐に渡って説明している。


聴力障害は「ろうあ者」「難聴者」「中途失聴者」と分けられており、ろうあ者と難聴者及び中途失聴者では必要なコミュニケーションが異なる。特定非営利活動法人 北九州市難聴者・中途失聴者協会は難聴者・中途失聴者を対象としている。難聴者、及び中途失聴者は環境の変化や不安が大きく、気を落としてしまうことも多い。そのため交流の場を設け、活発なコミュニケーションを促している。

このように日常生活でのサポートを行っているが、難聴者が抱えるコミュニケーションでの問題は難聴者だけで解決できる問題ではない。「ヒアリング・ハラスメント」という言葉を聞いたことがあるだろうか。難聴の人に対し、耳元で大きな声で話しかけたり、マスクを付けたまま対応するなど健聴者の理解不足、配慮の無さから生み出された言葉だ。難聴者の聞こえ方には個人差があるため耳元で大きな声を出されなくても聞こえる人もいる。またマスクのせいで、口元が見れないため会話の内容がわからない人もいる。このように健聴者の難聴者への認識が足りないためにコミュニケーションに齟齬が生じることが多くある。

こうした状況を減らすには難聴者のコミュニケーションの学習だけでなく、健聴者の難聴者への理解が必要である。しかし、「ヒアリング・ハラスメント」という言葉がまだあまり知られていないように、それは簡単なことではない。神矢徹石理事長は難聴者への情報提供だけでなく、周りの人の理解を深める活動にも粘り強く取り組んでいきたいという。少しの想像力と配慮が世の中を変えていく。



特定非営利活動法人 北九州市難聴者・中途失聴者協会

〒804-0067

北九州市戸畑区汐井町1-6 ウェルとばた6階 10:00~16:00

TEL・FAX 093-883-3113 (TELは火曜日のみ)



記事:北九州市立大学 木元カンナ・坪根なつき


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