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子どもたちに働く喜びを伝える夢授業 〜北九州キャリア教育研究会〜

「夢授業」とは、毎回数十人の職業人が、小学生から高校生までの子どもたちに自分の仕事について語ったり、質問に答えたりすることで、働くことのやりがいや喜びを伝える教育プログラムである。そして、その活動を行っているのが、ボランティア団体である北九州キャリア教育研究会だ。


夢授業が始まるきっかけとなったのは、2013年に八幡西区の萩原小学校の6年生に向けて行われたイベントだ。学校の先生たちが、社会人を呼んで子どもたちに話をしてもらおうと企画し、そこで声をかけられたのが、現在北九州キャリア教育研究会の会長を務めている木原大助さんだ。木原さん自身、もともと子どもたちに向けてこういったイベントをしたいという思いがあったという。せっかくやるなら多くの人に来てもらった方がいい、と知り合いに声をかけた結果、全部で27業種もの職業人の方が集まった。当初は1回きりのつもりだったこのイベントだが、他の学校から「うちでもぜひやって欲しい」という意見が多くあり、続けていくうちに活動はどんどん広がって、現在では約900人もの職業人の方が登録している。毎回、幅広い業種の職業人が参加してブースを作り、子どもたちがそのブースを回りながらそれぞれの仕事についての話を聞く。



夢授業は、子どもたちに働くことについて伝えている反面、職業人である大人たちが、自分たちの仕事を見つめ直す機会でもある。子どもたちからの質問に答えて対話していくなかで、改めて自分の仕事のやりがいを再認識できる。子どもたちが大人になった時に、「仕事は大変だけど楽しい」と思ってもらうためには、自分自身が子どもになってほしい姿を体現する必要があるという木原さん。自分ができていないことは伝えられない、だからこそ、大人たちがどれだけ変わることができるか?ということが大切だと語る。



木原さんが感じる夢授業の魅力は、無限大に変化するところ。こんなに多くの人が関わるようになるとは想像していなかったという。2018年までの時点で、市街も合わせると計58校もの学校で行ってきた夢授業。子どもたちが育っていく様子や、学校の先生たちから夢授業のニーズが増えていくことがやりがいだそうだ。今後は、全国的にこのような活動が広がっていって欲しい、自分で教えられることは全て教えたい、と語る。

「北九州を日本一の教育のまちにしたい」と力強く語る木原さんは、誰よりも働くことを楽しんでいるように見えた。

〈問い合わせ〉

〒805-0019 福岡県北九州市八幡東区中央2丁目16−9

TEL:090-8394-8697



記事 : 北九州市立大学 錦織知里・藤井茉衣

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