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動物の命の大切さの理解を広げる~ドッグセラピージャパンの挑戦~



NPO法人ドッグセラピージャパンが掲げるビジョンは、「心豊かな社会 犬と暮らしやすい世の中を目指して」であり、高齢者施設や養護施設で行われるドッグセラピー活動、ドッグカフェ、犬猫殺処分ゼロ活動などの事業をしている。


代表の野田久仁子さんが、ドッグセラピージャパンを立ち上げたのは、ある老婦人との出会いがきっかけだという。

12年前のある日、ペットショップで働いていた野田さんは、お店に来た老婦人の知り合いがペットの犬を飼えなくなり、保護団体に引き渡そうとしていることを知る。それをきっかけに、飼い主の事情や、あるいは身勝手な理由で保護団体に引き渡され殺処分されるペットが当たり前のように存在している現状を知った。そのことが、犬を飼う前に正しく飼育について理解してもらうためのドッグカフェの開設や犬猫殺処分ゼロ活動に繋がった。


団体の名称ともなっている「ドッグセラピー」とは、犬とのふれあいを通じて高齢者や認知症の方などに癒しを届けるための活動である。

通常は、2~10頭のセラピー犬と共に高齢者施設や養護施設を訪問する。セラピー犬の柔らかな毛やぬくもりに触れることでストレスを軽減し血圧を下げリラックス効果があるという。セラピー犬と触れ合うことで、普段あまりしゃべらない方が素の笑顔で話す新たな一面を見ることが出来たり、2年ぶりに訪問するセラピー犬を覚えてくださる方がいらっしゃったりと多くの方がセラピー犬のファンになるそうだ。活動を通じて、話したり動いたり感動したりとコミュニケーションを取ることが出来るようになった利用者も多く、ドッグセラピー活動には人の心を温める効果が期待されている。



近年では、動物保護団体が増えたことで命を繋ぎ止める動物は増えたが、保護の対象となる動物はいまだに後を絶たない。殺処分の減少に留まらず、もっと多くの人に動物を飼うことの責任や難しさ、犬と過ごせる喜びをこの活動を通して知ってもらいたいと野田さんは語る。そのために、ドッグセラピー活動では高齢者に限定するのではなく不登校児や発達障害児などのドッグセラピーを必要としている多くの方を対象に活動を広げていきたいそうだ。 この挑戦が多くの人に癒しを与え、活動の理解が深まるきっかけになって欲しい。


■特定非営利活動(NPO)法人ドッグセラピージャパン■ 福岡県北九州市小倉北区片野3丁目14-1 TEL: 093-923-2128 URL: dtj.or.jp/


記事:北九州市立大学 村上麻菜美・瀬戸口陽子

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