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NPO法人 抱樸の挑戦 「笑い家」

更新日:2019年1月13日



「ホームレス」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。日常の生活のなかでホームレス問題を身近に感じる人は少ないかもしれない。しかしホームレス問題は他人事ではない。事業の失敗やリストラや病気などで、仕事や収入を失ってしまう。家族や友人がいなかったり、頼れない事情がある。帰る場所がない。その状況から抜け出せなくなり、孤立してしまう。ホームレスにはそれぞれの原因があり、さまざまな要因が絡み合っている。これは個人だけに原因があると言えるのか。その環境をつくってしまっている社会にも大きな原因があるのではないか。


こうした問題意識に基づきホームレスゼロの社会を目指して、さまざまな支援活動に挑戦しているのがNPO法人 抱樸である。ホームレス支援と聞いてまず思い浮かぶイメージは「炊き出し」であろう。しかし抱樸は炊き出しだけでなく、それ以外にもさまざまな形での支援を行っている。そのひとつの取り組みが若年就労支援事業「笑い家」である。





笑い家は2013年10月に北九州市八幡東区大蔵で就労訓練所として開店した。ここでは、1日に15~20本のだし巻き玉子や弁当が作られている。地域では「食べたら違いがわかる」「玉子が柔らかく、しっかりだしが効いて美味しい」と評判だという。作る人も食べた人も笑顔になることを願って「笑えるだし巻玉子」と命名された。


「笑えるだし巻き玉子」作りと販売を通じて、仕事を持たない若年者の就労を促す取り組みを行っている。だし巻玉子作りに励むのは、それぞれの事情で職を失った人々だ。親との関係がうまく行かず各地を放浪していた人、派遣切りにあい住む場所をなくした人、さまざまな若者が働いている。ここには、一生懸命にだし巻玉子を作ることで、仲間と働き出会いの機会を広げることを通じ、社会とのつながりを持ってもらえたらと言う思いもある。就労支援を受けている人たちが、ひとりでないことを実感し働くことを通じて成長していくことが目的である。その成長は、働くことの嬉しさを知り、地域の人と関わることで必要とされている実感を得ることから引き出されている。


近所で評判の「笑えるだし巻き玉子」、気になる方は一度ご賞味あれ。おいしく食べて、就労支援に貢献することもできるのだ。


笑い家

住 所:八幡東区大蔵2丁目11-9

販 売:月~金曜日(祝日を除く)11:30~15:00

電 話:093-653-3088(予約可能)


【「笑えるだし巻き玉子」委託販売所】

抱樸館北九州

住 所:八幡東区東鉄町7-11

販 売:月~土曜日(祝日を除く)12:00~売り切れまで

グリーンコープ清水店

住 所:北九州市小倉北区清水3丁目1-7

販 売:10:00~19:00(月曜のみ夕方から販売)


問い合わせ先

NPO法人 抱樸

〒805-0015福岡県北九州市八幡東区荒生田2-1-32

TEL/FAX:093-653-0779

E-mail::ettou@f8.dion.ne.jp


記事 北九州市立大学 遠藤雅樹・橘好

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