みなさん、月に1回、八幡東区東田の環境ミュージアムに映画館ができることをご存知ですか? その映画館の名前は『東田シネマ』。2014年9月からほぼ月に1回のペースで、週末の3日間、厳選したドキュメンタリー映画を上映しています。
今回は『東田シネマ』を運営する“東田シネマ”運営委員会のコーディネーターを務める服部祐充子さんに、その活動内容やその活動への思いを語っていただきました。
環境ミュージアムに出現する架空の映画館『東田シネマ』
- 『東田シネマ』とはどんな映画館ですか?
服部さん:ほぼ月に1回、週末の3日間、環境ミュージアムのエコシアタードームを『東田シネマ』という映画館に見立てて、厳選したドキュメンタリー映画を上映しています。
決まった場所・定期的な上映ということで、ちょうど自主映画上映会と既存の映画館との中間的な上映活動と考えています。 これまで13回開催し、1つの作品の上映で約100名の方にお越しいただいています。
- この活動をスタートしたきっかけは何ですか?
服部さん:私は以前から映画に関心があり、個人的な活動として、主に社会問題を扱った海外のドキュメンタリー映画の自主映画上映会を開催していました。その活動の延長として、もっと多くの人に映画の魅力や映像のもつ力を伝えたいという思いから、多くの方たちの協力を得て、2012・13年に「東田環境映像祭」、2014年に「北九州未来映画祭」を開催しました。
映画祭の開催を通じて、改めてより多くの方に質の高い映画を見ていただきたいという思いから、北九州で見る機会の少ないドキュメンタリー映画を継続的に上映する『東田シネマ』の活動をスタートしました。
市民の力で厳選した質の高いドキュメンタリー映画を届ける
- どのようなメンバーで運営されているのですか?
服部さん:活動は“東田シネマ”運営委員会のメンバーで行っています。私のほか、長年映画の仕事に携わられている増永研一さん、環境ミュージアムのスタッフのみなさんに加え、多くの市民ボランティアの協力で運営しています。
- どのような作品を上映しているのですか?
服部さん:国内のものを中心に、質の高いドキュメンタリー映画を上映しています。上映作品については、毎回、増永さんを中心に地域性やテーマ性の高い作品を選んでいます。また、上映に併せて監督をお迎えしてのトークショーを実施することもあります。
映画の「伝える力」で社会への関心を生み出す
- 『東田シネマ』の活動を通じて、どのようなことを目指されていますか?
服部さん:私たちの周りにはたくさんの問題があります。その問題は、行政や他の誰かが解決するのではなく、私たち市民一人ひとりが課題意識をもって取り組むことが必要だと考えています。そのためには、まず私たちの周りにどんな問題があるのかを知り、それを“自分ごと”として捉えることが必要です。そのきっかけ作りに、映像により課題や現状をストレートに伝える力がある映画が大きな力を発揮すると考えています。 様々な分野のドキュメンタリー映画の上映を通じて、観ていただいた皆さんそれぞれに、その解決へ繋がる価値観や行動を生み出すきっかけを作り出し、持続可能な社会づくりに繋げていきたいと考えています。
- 今後、どのような活動をお考えですか?
服部さん:後も質の高いドキュメンタリー映画の上映を続けていきたいと考えています。また、上映作品をより深く理解していただくために、鑑賞前後に上映作品や関連するテーマ、歴史に関するワークショップや勉強会を開催するといったことにも取り組みたいと考えています。
上映作品やスケジュールについては、『東田シネマ』ホームページや環境ミュージアムのホームページ等でお知らせしています。一般の映画館では上映される機会の少ない、質の高い作品ばかりを厳選して上映しています。ぜひ、会場に足を運んでいただき、素晴らしい作品をお楽しみください。
「自分とは関係のないこと」「なんとなくハードルが高い」と感じてしまいがちな社会的な課題を、映画鑑賞という多くの人が気軽に楽しむことができる体験を通じて、より多くの人に知ってもらい、考えるきっかけを提供している『東田シネマ』。そんな活動自体が北九州に暮らす人たちの手で行われていることに大きな意味があると感じました。今後も多くの質の高いドキュメンタリー映画の上映、そして映画上映にあわせた新たな取組に注目していきたいです。
“東田シネマ”運営委員会 上映会場:北九州市環境ミュージアム内シアタードーム(北九州市八幡東区東田2丁目2-6) 連絡先:093-663-6751 HP:http://higashidacinema2014.blogspot.jp/
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