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人と自然を結びつける~NPO法人森遊会~

森林インストラクター(注1)を中心とした森の案内人団体、それがNPO法人森遊会である。森遊会は樹木や生物の観察会、ネイチャークラフト(注2)などの自然体験活動及び森林整備活動を行い、自然の恵み、自然環境の大切さを広めている。


今回、理事長である井上さんにお話を伺った。

井上さんがNPO法人を設立したのは、近くの森を散策したり、数名で小さな山を樹木観察したりする拠点を作りたいという思いからだった。井上さんは学生時代ワンダーフォーゲル部に所属しており昔から自然と接点があった。その後たまたま見た雑誌で森林インストラクターという資格があることを知り資格を取得することにしたが、この資格は取るのが難しく何回も挑戦してやっと取得することができたという。そして今ではその資格で大人から子どもまでたくさんの人々を森と繋いでいる。

森遊会の活動の一つである自然観察体験では、見ただけではわからない葉の裏のざらざらを触って感じたり、森の中に生えている冬イチゴをその場でそのまま食べたりする。そのように見る、聞く、嗅ぐ、触る、味わう、という五感で自然を感じてもらい、その大切さを伝えている。


現在は、平成29年度から始めた高蔵山森林公園の整備に尽力している。主に山側の遊歩道を季節問わず人々が安全に利用できるように整備している。この高蔵山森林公園の整備は森づくり体験教室として地域の方々も参加できるしくみとなっている。森づくり体験教室では草刈りやツル切り、スギ・ヒノキの枝打ち、間伐などの散策路整備をしている。またチェーンソーを使用してイスやベンチを森の木で作るということもしている。さらに切ったツルや間伐材、木の実はネイチャークラフトの材料として使われ、リースやネームプレートへと生まれ変わる。



過去には、森林整備で間伐作業をしていたら、通報されてしまい警察が来たことがあったそうだ。きちんと市に許可を取って間伐していたため何事もなかったがまさか通報されるとは、と笑って話してくれた。井上さんはそんなことがあっても失敗はない、安全で楽しくできれば成功と話す。子どもたちが森で自然観察体験をすることで木と友達になり、毎年森に遊びに来てくれるようにしたいという。森遊会はこれからも人と自然を結び続けるだろう。


注1:自然と森林の仕組み、森林づくりと林業、山村の暮らしと文化、森林内での活動、安全対策のすべてについて知識と技術を持っていることを証明する資格

注2:木材や木の実など自然素材を使ってネームプレートやオブジェを制作すること


【次回イベント開催日】

 日時:2020年1月12日(日)10時~15時(予定)

 場所:高蔵山森林公園

 申込締切:2020年1月10日(金)

 申込先:NPO法人森遊会(担当:井上)

 TEL:090-5283-9019


【問い合わせ】

 NPO法人 森遊会

 〒800-0207

 北九州市小倉南区沼緑町4丁目26番7-102号

 TEL:090-5283-9019



記事:北九州市立大学 江田麻仁・長友みなみ

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