1994年の国連主催カイロ人口会議の国際文書第七章に「リプロダクティブ・ヘルス/ライフ(性と生殖に関する権利と健康)」という言葉が初めて入った。
これを受け、性や暴力など、様々な困難を抱える人に何かできないかという思いから、1995年にNPO法人FOSCが設立された。今ではその活動が認められ、2017年第16回福岡県共同参画表彰「困難な状況にある女性の自立支援」の部門において表彰されたこともある。
今回は、理事長の野口さんにお話を伺った。
FOSCの活動内容は、メールや電話での相談から、困難な状況にある女性や子供が一時的に身を寄せることのできる宿泊施設の運営、宿泊施設を出たあとの支援、子供と女性の問題に関する研究事業など幅広い。こういった宿泊施設を運営している団体は他にもあるが、宿泊施設の運営以外に様々な活動を行っているのは北九州市で唯一だという。
こうした支援は大変なことも多い。
利用する方々は犯罪の被害者、生活保護取得希望者、住む場所を失った人、病気のため自宅以外で落ち着いた生活が少し必要な人など、深刻な理由や背景を抱える人も多く、利用者と急に連絡が取れなくなってしまったり、同じ罪を繰り返してしまったりするケースもしばしばある。そうした点で、支援は精神力を必要とされるという。それでもこの活動を続けられるのは、宿泊施設を出た利用者と数年ぶりに会った時、仕事を見つけ、自立し、頑張って生活しているのを目の当たりにした時に、やりがいを感じるからだと野口さんは語る。
施設外でも、野口さんは中学校や高校、専門学校、大学などで、デートDV防止についての講演や授業、研修を行っている。性被害やDVに関する理解を広め、また被害に遭う人が少しでも減らすことができるよう尽力している。今は無償ボランティアで活動しているが、今後はスタッフを雇えるだけの予算を確保し、スタッフを雇って活動をする事が目標だそうだ。野口さんたちの活動で今後もたくさんの人が救われる事を期待したい。
【特定非営利活動法人 FOSC】
問い合わせ先:下記メールフォームからお願いします。
TEL:093-541-5805(緊急の場合の問い合わせ先)
事業時間:月〜金曜 11:00〜18:00(年末年始・祝日を除く)
記事:北九州市立大学 太田茜・瀬戸口陽子
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